お彼岸ではどんなものを食べる?定番の食事とレシピ特集

更新日
2018/04/26
カテゴリ
お彼岸

1年に2回、季節の変わり目でもある春分・秋分の日をはさんで前後の3日、計7日間はお彼岸とされているため、お墓参りやお仏壇の掃除などをすることがあるのではないでしょうか。

その際に、ぼたもち・おはぎを作ってお供え物としたり、家族みんなでいただくことがありますが、お彼岸に食べる食事はこれだけではありません。
今回は、どのようなお彼岸料理があるのか、その決まりごとや実際のレシピなども紹介するのでチェックしてみてください。

そもそもお彼岸料理って一体?

彼岸とは簡単にいえば「向こう岸」のことですが、仏教用語としては、我々の生きる世界「此岸」に対し、亡くなった人たちが住む世界である「極楽」を意味します。

古来、此岸に対して彼岸は西の方にあると考えられており、太陽が真東から昇り真西へと沈む春分・秋分の期間は、両者が最も近づく時期とされていました。それがやがて、生者が悲しみや苦しみのない極楽浄土を願う気持ちとリンクし、お彼岸の風習につながったとされています。
そのため、お盆がご先祖様のためにお墓参りをするのに対し、お彼岸では亡くなった人を供養して感謝を捧げることで、自らが極楽へと渡るための善行を積む期間となっています。

お彼岸料理は、こういった意味合いのあるお彼岸の日に、仏前にお供えする食事であると共に、それをいただくことで自らに課す修行の一環でもあるのです。

お彼岸料理の決まりとは?

お彼岸の食事は、故人が生前に好んでいた料理を供えることもありますが、前述のように自分自身が修行に励む期間であるという側面から、多くの場合は精進料理を作ることになるでしょう。

その際は、お住まいの地域や精進料理の宗派によっても異なりますが、基本的には昆布と干ししいたけでだしを取り、野菜・穀類・豆類・海藻・果実をふんだんに使用した料理にする必要があります。味付けは、食材そのものの風味を活かすため、上品な薄味に仕上げるようにしましょう。

お盆の時のように、盆提灯やキュウリの馬とナスの牛といった特別な小物などは必要ありませんが、お供えするお膳の内容は共通しています。
基本的には、お膳の手前に箸を置いた時に、向かって左側にご飯のお椀、右側には汁椀を、そしてその間に漬物皿を置く、という3つのポイントを押さえておきましょう。
ここに一品から三品のおかずを加えることになりますが、一品(一汁一菜)または二品(一汁二菜)の場合は普段の食事、三品だと一汁三菜というおもてなしの意味合いのあるお膳になります。
おかずが三品の時のそれぞれの配置は、中央と右奥、左奥ですが、品数が少ない場合やどういったお椀を置くかなどについては、そこまで難しく考える必要はありません。
また、お供えする際は、箸の置いてある側を仏壇の方へ向けることも重要です。あくまで、仏様が食べるお膳なので、食べる人の方に向けてあげることを心がけましょう。

最も丁寧な作法では、お彼岸の期間中は毎日一汁一菜か一汁二菜のお膳をお供えし、彼岸の中日(春分・秋分の当日)は一汁三菜をお供えします。
もちろん、忙しい場合は基本のポイントを押さえておくだけでも問題ありませんし、ご飯だけに省略することもできます。
それでも、お彼岸の1週間のうち1日だけでも、季節の食材などをふんだんに用いた手作りのおかずを用意してお供えすることをおすすめします。

お肉や魚介類は一切使わないのがマナー

精進料理を作る際には、牛・豚・鶏といった肉類や魚介類など、動物性の食材は一切使用してはいけません。
これは、動物が人間と同様に霊を持ち、命を天から授かっているため、食のための殺生を戒め天寿を全うさせるべき、という仏教の教えに基づきます。
卵については、年代や地域によって扱いが異なりますが、基本的には用いない方が良いでしょう。
また、この考えはだしをとる際にも適用されるため、煮干しやかつお節といった魚介類からだしをとることができない点についても注意が必要です。

付け加えると、ネギ・にんにく・らっきょう・ニラ・アサツキ(ワケギ)を総称して五葷(ごくん)と呼びますが、これらの野菜に分類される食材も精進料理では忌避されています。
その理由としては、強い臭いが大勢で行うことの多い修行の妨げとなるのに加え、一般にこれらの食材を食べると精力が付くとされていることから、性欲を刺激させないためといわれています。

お彼岸で食べる定番料理といえば?

精進料理以外に、お彼岸の法要などの際にも良く出される定番の料理としては、彼岸そば・うどん、天ぷら、お赤飯(小豆飯)、寿司の4つが挙げられます。

彼岸そば、もしくは彼岸うどんに関しては、その消化の良さから胃腸機能を回復するために食べる習慣があったことに起因します。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉にもある通り、お彼岸の時期は季節の変わり目でもあるので体調を崩すことが多く、弱った胃腸でも食べられるそばやうどんは重宝されました。
それがやがて、お彼岸の時期になったら食べるものというように意味が逆転したと考えられています。
また、そばを食べると五臓六腑の汚れを清める効果があるとの民間伝承から、ご先祖様をお迎えする前に自らの身体を清める目的で食べられるようになったともいわれています。

天ぷらは江戸時代頃にその基本が確立されましたが、そもそもは江戸湾で水揚げされた魚介類を揚げたものだけがその名前で呼ばれていました。
その後、野菜やキノコなども揚げられるようになった際には、「天ぷら」ではなく「精進揚(しょうじんあげ)」として区別されています。
この精進揚は、動物性の食材を使わない精進料理のルールに合致し、精進するという言葉の響きも気に入られたため、お彼岸の料理として定着したと考えられています。
したがって、お彼岸に食べるならば魚介類の入った「天ぷら」ではなく、野菜やキノコを使った「精進揚」が本来のスタイルということになるでしょう。

お赤飯に関しては、もともと春分・秋分の3日前、彼岸の入りにはおはぎ・ぼたもちを、彼岸の中日にはお赤飯(または小豆飯)、春分・秋分から3日後の彼岸の明けには明けだんごを供えるという風習が由来です。
お赤飯と小豆飯は同じ料理と思われがちですが、その作り方や材料に違いがあります。お赤飯が小豆ともち米を蒸して作ったおこわなのに対し、小豆飯はあらかじめ煮ておいた小豆とその煮汁を、普通のお米(もち米を加えることも)と一緒に炊いた炊き込みご飯のような位置付けです。

寿司をお彼岸に食べるようになった理由としては、あついおもてなしの側面が強いといえるでしょう。
発酵食品だったなれずしが江戸前のファストフードに変貌し、今や日本人だけでなく、世界でも多くの人が寿司の美味しさに魅せられています。
ちらし寿司や五目寿司、いなり寿司などをお供えすれば、その特別感に仏様もきっと喜んでくれるだろうという心遣いは今も昔も変わらないのではないでしょうか。

覚えておくべき精進だしのレシピ

肉類や魚介類など、動物性の食材を使わない精進料理では、その美味しさや満足感を得るためには「だし」の存在が欠かせません。
この精進だしをとる際には、上記で述べたルールにある動物由来ではない食材、干ししいたけと昆布を用います。
分量の目安は、水3カップに対して、干ししいたけが3枚、5cm角に切った昆布が1枚となります。汚れが付いているかもしれないので、干ししいたけは水で良く洗う、昆布は拭き取ることで事前に落としておくと良いでしょう。

手順としては、まず鍋に分量の水と干ししいたけを入れ、1時間以上もどしておいてください。
続いて、昆布を加えて中火にかけ、煮立つ寸前に昆布を取り出します。そこから火を弱め、さらに1~2分ほど煮た後にふきんなどでこせばできあがりです。
できあがっただしは、薄味を基本とする精進料理のベースとして様々なメニューに活用でき、食材本来の優しい味を引き出すことができるでしょう。

精進筑前煮の作り方

前述の精進だしを活用して作る精進筑前煮は、だしをとる際に使った干ししいたけも余すことなく利用する、無駄のないレシピです。
大体の調理時間は、25分程度になるでしょう。

2人分の材料は、精進だしに使った干ししいたけが3枚、れんこん100g、ごぼう・たけのこ(水煮)・にんじんがそれぞれ50gずつ、こんにゃくは40g、絹さやを4枚用意してください。

通常の筑前煮には鶏肉を用いますが、このレシピでは使わないので気を付けましょう。
また、調味料として、酒大さじ4杯・みりん大さじ3杯・しょうゆ大さじ2杯(この3つをAとします)に加え、しょうゆと塩が適量必要となります。用いる精進だしは2カップ分で、他にもごま油とお酢を適量準備しておきましょう。

手順としては、まずお湯を沸かし、食べやすい大きさに切ったこんにゃくを下茹でします。
れんこんとごぼうは3cmくらいの乱切りにし、酢水にさらしておきましょう。
たけのことにんじんも3cm大の乱切りにし、干ししいたけは4等分に切ります。
絹さやは、ヘタと筋を取って塩茹でした後、斜め半分に切っておいてください。

次に、鍋にごま油を熱し、切り分けた材料(絹さや以外)を入れて炒めます。
食材全体に油がまわってきたら、Aの調味料を加えてアルコールが飛ぶまで混ぜながら煮立ててください。
続いて精進だしを加え、煮立ってきたらアクを取ります。
その後、弱火に切り替えて煮汁の量が1/3くらいになるまで煮てください。
煮汁をとばしたら、しょうゆ・塩で味を調えて火を止め、器に盛ります。最後に、絹さやで飾れば完成です。

ポイントとしては、煮る前に具材を油で炒めると、味にコクが出るのに加え、煮崩れも防ぐことができます。また、味付けを一度で済ませるのではなく、何度かに分けて調味料を加えることで、より食材に味が馴染みやすくなるでしょう。

がんもどきの揚げ出しの作り方

精進料理の定番であるがんもどきも、精進だしを使った揚げ出しにすれば、いつもと違う味わいを楽しむことができます。

2人分の材料は、絹ごし豆腐が300g、山芋60g、にんじん・しいたけがそれぞれ20g、きくらげ(もどした状態で)10g、さやいんげんが4本です。揚げ出しのおつゆには、精進だし200ml・薄口しょうゆ40ml・みりん40ml(この3つをBとします)を使う他、適量の塩とおろししょうが、揚げるためのサラダ油も用意してください。

調理の手順は、まず豆腐をペーパータオルなどで包み、重石をして冷蔵庫で1時間程度水を切ってください。山芋はすりおろし、にんじん・しいたけ・きくらげは細切りにします。さやいんげんは、ヘタを取ったら長さが3等分になるよう切ってから塩茹でにしましょう。

次に、すり鉢とすりこぎを用意し、豆腐を潰しながらすってください。
山芋と塩少々を加えてさらにすっていくと粘りが出てくるので、そこににんじん・しいたけ・きくらげを入れ、ヘラなどを使って混ぜ合わせます。
これを4等分し小判型に形を整えたら、165℃に熱したサラダ油できつね色になるまで、約5分を目安に揚げましょう。
器に盛ったがんもどきに、鍋で煮立てたBを上からかけ、さやいんげんとしょうがを飾ればできあがりです。

豆腐の水切り時間を除けば、調理時間は20分ほどになります。
その他に押さえておきたいポイントとして、水切りをした豆腐と山芋は、粘りが出るまでしっかりとすって混ぜておくことを心がけてください。
長芋を代用することも可能ですが、山芋に比べて粘りが弱いので、適宜片栗粉などを用いて固さの調節をする必要があるでしょう。

高野豆腐の含め煮の作り方

精進だしを用いた高野豆腐の含め煮は、材料の準備さえ整っていれば、15分程度でできる手軽且つヘルシーなレシピです。

4人分の材料は、高野豆腐2個だけでも構いませんが、彩りににんじんを80g、最後の飾り付けにさやえんどうを適宜使用するのも良いでしょう。
煮汁は、精進だし1カップに対し、砂糖小さじ2杯、みりん小さじ2杯、酒小さじ1杯、塩を少々、しょうゆは小さじ2/3杯を用意してください。

作り方は、まず事前にお湯でもどしておいた高野豆腐を、縦半分にしてから4つに切り分けます。にんじんを使う場合は皮をむき、一口大に切っておきましょう。さやえんどうは、あらかじめ塩茹でしておいてください。

次に、鍋に高野豆腐(とにんじん)、煮汁の材料を全て入れたら火にかけます。
沸騰したら弱火にし、具材が柔らかくなるまで煮てください。器に盛りつたら、茹でておいたさやえんどうを添えて完成です。

ポイントとしては、高野豆腐を煮る際の火加減は最初は強めで、弱火にしてからはフタをして蒸らすように煮ると、よりふっくらと仕上がるはずです。

お彼岸のマナーを重視するなら精進料理を

以上のように、お彼岸の日に料理をお供えをすることは、ご先祖様の供養につながるだけでなく、自らを安らかな極楽へと近づける修行にもなります。
そういった意味のあるお彼岸のマナーを重視するのであれば、ここで紹介した精進料理の決まりや作り方についてきちんと覚えておくようにしましょう。

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