お名前 | 小池 宏彌様 |
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年齢 | 78歳 |
ご利用サービス | 一日葬(通夜を行わないお葬式)の読経 |
施行日 | 2014年2月9日 |
故人様との間柄 | お母様 |
最初は、私の兄弟やら家内やら、子どもたちもみんな、大反対だったんですよ(笑)。「本当に来るんだかどうだか。来なかったらどうするの!」って。 それで大雪が降ったでしょ。最初は東京のお坊さんが来るはずでしたが、急遽、こちらで活動されている方が見えて。お坊さん本人も大変だったみたい。時間ぎりぎりに来られて、はあはあいっていました。でも、みんな、お坊さんの顔を見たら、安心していましたよ。
そうですよ。私の考え方は、よくいえば合理的、悪くいえばケチなんです。まあ、合理的とケチは似て非なるもので、元を正せば、できるだけ経費をかけないで、最良の結果を得る、と。これが基本ですが、聞く人によってケチと受け取られるんですね。私は元々、大手電機メーカーにいたんです。会社が大きいから、すべてが合理化されていました。そうでなければ統率が取れないし、利益も上がりません。脱サラして自分で商売もやりましたが、やはり仕入れと販売を合理的にやらないとうまくいかない。それがお葬式にも表れたということです。
去年の8月の初めにがんの宣告を受けて、余命6か月と言われました。骨髄異形成症候群といって、血液が造れなくなるらしい。思い起こせば、確かにそんな兆候はあった。貧血とか、吐くとか。お袋には病気のことは一言も伝えませんでしたが、ただ、死んだときはどうしようかと、割と早くから具体的な話はしていました。どのくらい人を集めようか、って。そうしたら、ごく身内だけでいいってことになって。お袋は100歳と2か月で、兄妹はもういないんだし、と。
娘がお世話になっている葬儀社に頼みました。親心ですね。ただ、お坊さんは付いていなかったんです。この辺の風習で、どこの家でも頼みつけのお寺さんがあるから、葬儀プランにあえて寺院やお坊さんは付けないんです。だから、逆に「どこのお寺さんに頼むんですか?」って聞かれるんですよ。私は、僧侶の派遣のことは知っていましたから、まったく困らなかった。
だいぶ前から僧侶の派遣があって、資料も取り寄せていました。今回、インターネットで調べたら、その会社は潰れたのかなあ、もうなかった。で、「お坊さん便」がヒットしたんです。
対応が良かった。聞けばすぐ答えてくれた。しかも、うやむやにせず、はっきりしていた。それが一番大切ですね。ホームページだけではなく、電話でのやり取りも、言葉遣いとか対応とか、信用できると思ったのでお任せしたんです。それと値段が明記されていた上に安かった。
ありません。十年ぐらい前にお袋が共同墓地に親父の墓を建てて、だから宗派は自由なんです。
親父の実家に菩提寺はあったはずですが、跡取りでもないし、あまり縁も感じていなかった。ただ、親父は45歳のとき脳梗塞で本当に突然亡くなりましたから、確か本家の頼みつけのお寺さんに頼んだんだと思う。 お坊さんにはいろんな仕事があるでしょ。私はずっとそれを見ていて、坊さんっていい商売だと思ったの(笑)。檀家は年に4回ぐらい当番でお布施を負担していたんです。しかも、お金を集めてお寺に持って行く担当があって、換わりに塔婆をもらってくる。お布施の額も、最初2000円だったのが3000円になったり5000円になったり。なんだこれは? と思ったんですね。お寺さんが集金に来て、お札を持ってきてくれるなら分かるんだけど、なんで檀家がそれやらなければならないんだ、って。
お袋は親父を早くに亡くして苦労したんですよ。私も貧乏に育ちましたから、神様仏様が私たちの生活を助けてくれたことがあるか、って思っていました。だから、お坊さんに頼るのはどうか、と。 私は幽霊も霊魂も信じていません。日本人って、宗教心はないと思うんですね。周りがやっているから、惰性で自分もって。それだけでしょう。ましてや商売やって、拝んで利益が出てくるわけでもない。そんなの関係ないですからね。 それに、檀家って抜けるの大変なんだよね。私は引っ越したから、抜けることができたんだけど。
檀家というより、葬式そのものがね。今は、葬祭典とか葬儀社が増えてきて、亡くなったら祭壇とか自分で準備できないから、必ずお願いしなければならない。だから、言われるままなんですね。自分で葬儀社やろうと思ったこともありましたが、まあ、踏み出せなかった。お経も自分であげることができれば、これまた合理的だと思っていましたね。 お袋の葬式で、最初は読経も私がやろうと思ったんですが、家族に猛烈に反対された(笑)。私は本気だったんですよ。練習用のCDも買ってきて、最悪、このCDを流そう、と。司会も自分がやろうと思ってました。ただ、祭壇がないから葬式社に頼むしかない……。
それに、お袋を弔うには寂しい想いをさせられない。せめて人並みに、という人情はありますよね。家族ですから。私は心臓が悪くて、三年間、入退院を繰り返していたんです。本当に心配してくれたのが母親でした。だから、派手なことはやらないけど、心のこもった葬式はやりたいと思っていた。お袋の孫とひ孫と、それから甥っ子姪っ子と、10人ぐらい参列しました。
戒名は嫌いですから。お袋にも「戒名は意味ないよ。自分が死んだら俗名のままでいい。お袋はどうする?」って聞いたら、何の迷いもなかった。
みたところ40ぐらいの方でしたが、よかったと思います。思ったとおりでした。読経は、最初はアレ?って感じでしたけど、だんだん慣れてきたみたいだったね。ちょっと下手でしたが(笑)、そんなことは目くじら立てることではない。ちゃんと読んでくれたんだし、家族も満足しましたから。
正直に言いますが、四十九日は自分で読みます(笑)。もう準備できていますから。でも、また機会があればお願いしてもいいと思っています。紹介してもいいし、自分のときにお願いしてもいい(笑)。
葬式では少なくとも、お坊さんはお願いしたほうがいいと思います。
私はご近所で3、4回は葬式を仕切っていますが、お坊さんだけはその家の菩提寺にお願いしていました。すると、いろいろなお坊さんがいましてね。がめついお坊さんは、いい戒名やるからいくらくれって(笑)。お坊さんだけで100万円払ったかな。葬儀代も100万近く出たと思うので、相当な出費でしょ。 そういう経験をしています。だから、どこかにお願いするにしても、どの道、知らないお坊さんだし、合理的に安くあがるならそれに越したことがない、ということです。
小池さま、本日はお忙しい中、ご協力いただきありがとうございました。